まず近所の主無き甘夏の木から無農薬の甘夏をいただいてきます。小ぶりなので6個にしました。ふつうサイズの甘夏なら2~3個が無難です。のらねこ軒のまわりには主無き甘夏の木がたくさんあって、ヒヨドリなんかが食べているのを横から頂戴してくるのですが、甘夏の木がそのへんにない場合は買ってきます。皮を使うので無農薬のものがいいですね。

タワシでよく洗ってから、十字に切れ目を入れて、皮をむき、ここで皮の重さを計っておきます。これは308gです。ちなみにふつうサイズの甘夏だと1個分で100gくらいです。実はそのまま食べる、サラダに入れる、シロップ漬けやジャムにするとかします。ピールを煮るときに一緒に入れてみるのはやめた方がいいようです。私は一度やってみてたいへん後悔しました(ベタベタになります)。皮の内側の白いところをとらないダメ!と言う人がいますが、とらなくてもおいしくできます。

水を入れ火にかけ沸騰させ、沸騰したら火を消して何時間か放置してから水を捨てる、を3回します。途中で寝たりしてOKですが、何日も放置すると腐って来るので放置は最大1日くらいにしましょう。これは苦味をぬくための作業です。ここで圧力鍋とかを使ってみるのはお勧めしません。やってみたことがありますが、出来上がりがぐちゃぐちゃになるだけで良いことありません。

上記の作業をするとこんな感じになります。すでにおいしそうです。

みじん切りにして、煮る前の皮の重さと同じ重さの砂糖とまぜてしばらく置いておきます。これは包丁で切りましたが、フードプロセッサーでやってもOK。後でケーキに使うなら最初からみじん切りにするのが便利です。今回は薄茶色い粗製糖を使ってみました。白砂糖やグラニュー糖でもいいですが、黒砂糖はお勧めしません。イメージとしておいしそうなのに、やってみると非常に残念な味になります。

砂糖がなじんだら、火にかけます。火にかけると水分が出てくるので、まぜながら煮詰めていきます。

みじん切りだと、あっという間に水分が飛ぶのがラクチンです。そのままおやつにする場合は薄切りにしますが、切るときにがんばって薄めに切ると、煮るときに早く水分が飛んで楽できます。厚切りにすると煮詰めるのに時間がかかってイライラします。

煮詰まったら、瓶につめて、さめたら冷蔵庫へ。これは毎年クリスマス前に作るシュトーレン用です。1~2年くらいは平気で持ちます。もっと砂糖を増やすと常温保存も出来るかもしれません。出来上がりは655gでした(瓶の重さはあらかじめ引いてあります)。